口が「×」という、シンプルで可愛らしいうさぎの女の子、ミッフィー。
ミッフィーは絵本をはじめ、筆記用具や調理器具、UFOキャッチャーのぬいぐるみまで、さまざまな商品があります。
それらの商品の多くには、「dickbruna（ディックブルーナ）」という文字が。
「ディックブルーナ」がミッフィーの本当の名前？
「ディックブルーナ」ってなに？
ミッフィーの作者はどんな人？
ディックブルーナとミッフィーの違いについてお伝えします。
ディックブルーナとミッフィーの違いは？
ミッフィーの商品に「dickbruna」という文字を見かけたことはありませんか？
「dickbruna（ディックブルーナ）」とは、ミッフィーの原作者の名前です。
引用：福音館書店
彼はオランダで生まれ、父親の出版社でグラッフィックデザイナー（雑誌の表紙やポスター、看板などをデザインする職業）として活躍し、1951年から20年間で2000冊にもおよぶ本の表紙を手がけました。
1953年、彼がが最初に手がけた絵本「りんご坊や」、その2年後の1955年に、絵本「ちいさなうさこちゃん」を手がけ、そこで皆さんが「ミッフィー」と呼ぶうさぎのキャラクターが誕生しました。
引用：福音館書店
「ミッフィー」は、ディックブルーナさんが描いた絵本「ちいさなうさこちゃん」に登場する、主人公のうさぎの名前を英語訳にした呼び方です。
ミッフィーのふるさと、オランダでは、「ナインチェ」と呼ばれています。
正式名称は「ナインチェ・プラウス」と言い、オランダ語で「ナインチェ」はうさちゃん、「プラウス」はふわふわと言う意味だそうです。
「ちいさなうさこちゃん」が出版された当初、英語訳で「ミッフィー」、日本語訳で「うさこちゃん」と呼ばれました。
皆さんが「ミッフィー」と認識しているのは、絵本に登場する、うさこちゃんの名前を英語訳で呼ばれていたからだったんですね。
うさぎの女の子がいろんな名前で呼ばれているのは、世界中で愛されているからです。
ディックブルーナのデザイン
ディックブルーナさんは、1927年、オランダのユトレヒトで生まれました。
自然あふれる豊かな国オランダは、チューリップや風車、運河、木靴などが有名で、歴史的建造物や絵本に出てくるような可愛いくのんびりとした街並みがとても魅力的な国です。
引用：Tripa
彼は「ブルーナカラー」と呼ばれる赤、青、白、緑、黄色、その他ぞうの色を付けるための灰色や、くまや犬の色を付けるための茶色を付け加え、独自のスタイルを確立しました。
シンプルな線と色と形で、しっかりとメッセージを伝える。
若い頃に培ったデザインの技術で、絵本に登場するキャラクターたちに命を吹き込み、見る者の心を震わせます。
ぞうや鳥、魚や亀など一部のキャラクターを除いては、基本的に正面を向いている、言わばカメラ目線のキャラクターたちを描いています。
引用：福音館書店
これは、「キャラクターたちはいつも、本と向き合っているあなたのことを見ている。」という、ディックブルーナさんの深い愛情が込められています。
しかし、シンプルな世界を生み出そうとするのはかなり難しいそうで、はじめはあれこれ書き込み、そこから書き込んだ線を削って単純さを追求していったそうです。
彼にとって一番難しい作業で、削りすぎるとだめで、残しすぎると単純さが損なわれるなど、何度も何度も書き直して、たいへんな試行錯誤の結果、シンプルな世界が生まれています。
なぜ、ディックブルーナはそこまで単純さを求めるのか。
それは、絵本を開いた子供たち自身がキャラクターを自分のことのように思い、周りや自分の気持ちなどを込めて見られるようにという思いから。
ミッフィーやミッフィーの周りにいるキャラクターたちの行動は、とても優しく心温まります。
誰かを困らせたり、傷つけたりしたとしても、それを素直に受け止めて改善しようとする姿があります。
彼は子供たちが絵本を見た時に、単純であれば絵以上の想像をすることができるのを知っていました。
創作のみならず、さまざまな場所で子供たちに絵本の読み聞かせのイベントを行い、常に子供たちの目線になって考え、それをまた創作へ愛情と情熱をそそぎ続けました。
まとめ
ミッフィーの商品を見かけたら、手に取った際に「dickbruna」の文字を探してみてください。
ディックブルーナさんによる作品は、このうさぎの女の子「ミッフィー」が確立されており、彼が作った作品やデザイン、イラストなどの商品には「dickbruna（ディックブルーナ）」と名前が入っています。
ディックブルーナさんの温かみのある手書きの線、「ブルーナカラー」とも呼ばれる鮮やかな色使い、シンプルで大胆なデザインで、手に取った私たちの心をふるわせてくれます。
世界中の子供から大人まで幅広く愛されている、ミッフィーやdickbruna作品を楽しんでください。
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