ミッフィーが登場する絵本の中には、鳥や魚、牛や猫など、さまざまな動物が登場するお話があります。
その動物たちを「ブルーナアニマル」と言います。
ミッフィーの作者のディック・ブルーナさん独自のデフォルメ(※)とユーモアによって描かれた動物たちのフォルムはとても愛らしく、読者をひきつける魅力があります。
(※フランス語で「変形する」「歪曲する」という意味)
そんなブルーナアニマルの中に、ゾウがいます。
ブルーナアニマルのゾウには名前はあるのでしょうか?
また、ディック・ブルーナさんは動物園の人気者であるゾウを、どのようにデザインしたのでしょうか?
今回は、ミッフィーの絵本に登場する、ブルーナアニマルのゾウについて解説します。
ミッフィーのゾウの名前は?
ミッフィーの絵本に登場するブルーナアニマルのゾウは、なんという名前でしょうか?
英語で「エレファント」?鳴き声から「パオン」?そのままの「ゾウ」?
答えは、「ゾウ」です。
ミッフィーのような名前はなく、そのまま「ゾウ」と呼びます。
ミッフィーのゾウの誕生秘話
ミッフィーの絵本に登場するゾウを、ディック・ブルーナさんはどのようにデザインして誕生させたのでしょうか?
長い鼻、大きな体、鋭い牙、つぶらな瞳など、ゾウの特徴は色々ありますよね。
丸みのあるシルエットに優しげな瞳と長い鼻。
ディックブルーナさんが描くゾウは、デフォルメされていながらも一目でゾウだと分かります。
シンプルさにこだわり続けるディック・ブルーナさんは、実際に動物園で正確なスケッチを取り、アトリエに戻って取ったスケッチをもとに、描いた線を何度もそぎ落としていくのだそうです。
くる日もくる日も無駄なものをギリギリまでそぎ落としていく、その工程が一番難しいのだとか。
しかし、その工程があった先にしか見えてこない「何か」があるのだと言います。
「シンプルで明快な線で描かれた作品は美しく、力強いものです。ものが持つ本質が際だっているということです。」
「シンプルに」かつ「本質」を表現することで、ディックブルーナさんの作品に多くの人が虜になります。
一見単純に見えるゾウですが、ディックブルーナさんの人並外れたこだわりと情熱から生まれたものなのですね。
ミッフィーのゾウが登場する絵本
ミッフィーのゾウが登場する絵本は、『うさこちゃんとどうぶつえん』です。
お父さんと汽車に1時間揺られて、動物園へ行ったミッフィー。
色鮮やかなオウムたちに歓迎されます。
はじめて見るシマウマ、カンガルーのお母さんと赤ちゃん、そしてここで大きなゾウを見ます。
ゾウが鼻を伸ばしていたので、お父さんに促されて、ミッフィーは持っていたパンをゾウにあげました。
ほかにも、片っぽの手だけで枝にぶら下がった余裕顔のお猿さんや、首の長いキリン、ミッフィーが得意顔でまたがったカメなど、いろんな動物を間近で見たり触れたりして楽しい一日を過ごしました。
1964年6月1日に発行(2010年4月1日改版)の『うさこちゃんとどうぶつえん』に登場するゾウは、何色だと思いますか?
答えは、ミッフィーのお顔の色と同じ、白色です。
ミッフィーの絵本はどれも似た色合いをしています。
それを「ブルーナカラー」と言い、使われる色は厳選された6色のみになっています。
①赤色
②青色
③黄色
④緑色
⑤茶色
⑥灰色
ではなぜ、『うさこちゃんとどうぶつえん』に登場するゾウは白色なのでしょうか?
それは、この絵本が出版された当時、ブルーナカラーは4色だったからです。
5色目の茶色は犬のスナッフィーやくまのボリスなどのお友だちを、6色目の灰色はウサギやゾウなどのブルーナアニマルを描く際に追加されました。
だから、この絵本のお猿さんが登場する場面でも、お猿さんは茶色ではなく黄色で、枝も茶色ではなく緑色で描かれているんですね。
何がどんな色で描かれているのか、そんな点にも注目して見てみるのも面白いですね。
ミッフィーのゾウのおすすめグッズ
ブルーナアニマルのゾウが登場する絵本は『うさこちゃんとどうぶつえん』のほかに、『どうぶつ』や『さーかす』や『ケムエルとノアのはこぶね』、仕掛け絵本の『ミッフィーのこれなあに』などがあります。
特にぬいぐるみは、コロコロと丸みのあるシルエットで前後左右どこから見てもブルーナアニマルのゾウの可愛さが引き立つ一品です。
まとめ
ミッフィーのゾウについて解説させていただきました。
ゾウ以外のブルーナアニマルもいますので、ブルーナカラーや可愛らしいフォルムなど、ディックブルーナさんのこだわりと情熱が詰まったデザインをお楽しみください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!